――それはすごい。一番良い勉強になる。やはり何ごとも現場で学ぶことのほうが多いんですね。

 私の場合はそうでした。

――さて、東日本大震災の被災地を撮った一連の写真で、林さんは「第8回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」を受賞しましたが、自国の、しかもあれほど未曾有の被害に直面して何を思われましたか。

 とにかく現地に行かなければと思いました。私は、ロンドンに拠点を置くフォトエージェンシー、パノス・ピクチャーズに津波の被災地に行くと連絡を入れ、震災の2日後に東京を発ちました。

 出発してすぐ、ドイツのニュース週刊誌「デア・シュピーゲル」から仕事の依頼があったとパノス・ピクチャーズから連絡があり、依頼を受けました。それからは、目の回るような忙しさでした。

 しかし、あとで思ったんです。福島の原発事故もあったので、最初の3週間は海外メディアのものすごい取材ラッシュがありました。けれど、半年を過ぎると震災の1年後、2年後という区切りの時にしか取材のオファーが来なくなった。

 被災地の状況は日々変化しているのだし、復興には長い時間がかかる。そして、私は日本人。ニュースとしてではなくて、長期的な視点で被災地をとらえ、取材していきたいと思いました。

東日本大震災直後の南三陸町の沿岸部(撮影:林典子)

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