――カメラマンを職業に選んだとき、林さんが最初からフリーランスでやろうと思ったのはなぜですか。

 カメラマンとして就職することも考えないではなかったんです。
でも、自分が興味を持ったテーマを、自分なりの方法で追いたいという思いがありました。

 私が「いいな」と思う写真、何かを考えさせられる写真は、被写体と寄り添っているというか、カメラを意識させずに被写体の自然な姿を撮っているものでした。

 その人の置かれた状況や思いが伝わる写真を私も撮りたい。しかし、一時的な出会いで撮った写真では、それが表れてこないだろうと思ったのです。

 一緒に生活していけば、その人の内面が表情に表れる機会に触れられるだろうし、そのなかで自然な表情、人柄や考えていること、置かれた状況が伝わる一瞬をレンズにとらえるチャンスも巡ってくるのではないかと。しかし、そういう仕事は、新聞など速報性が重視される世界にいてはなかなかできませんね。

 そこで、自分がやりたいようにやるにはフリーランスしかない、それでいこうと決めたんです。

キルギスの誘拐結婚

若い男が女性を連れ去り、男の親族が総出で説得して結婚させる「誘拐結婚」。中央アジアのキルギスで行われている衝撃の「慣習」を、世界規模の報道写真祭で最高賞を受賞した写真や追加取材の写真、計76点でつづる。フォトジャーナリスト林典子、待望の初写真集!「単なる告発やニュースに終わらないドキュメンタリー」として、より多面的に深く、誘拐結婚の実態を伝えています。林さんが写真に写し出した、キルギスの女性たちの悲しみ、強さ、美しさを、ぜひご自身の目で確かめてください。

出版社: 日経ナショナル ジオグラフィック社
発売日: 2014/6/16

ナショジオストア アマゾン 楽天ブックス

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る