第4回 大切な「撮らない時間」

――撮らないで我慢する時間は大事ですか。

 被写体となる人たちを、ずっと長く撮っていきたいと私は思っています。

 気分を害して疎まれたら、撮り続けることができなくなりますし、レンズを向けようとしたとき、少しでもひっかかるところがあれは、その場は撮らないでおきます。

 それに、被写体の家族やまわりの人の気持ちを察することも大事だと思います。まわりに一人でも、私のことが気に入らない人がいれば、それで場の雰囲気が大きく変わったりもしますから。

 後から思い返して、撮っても大丈夫だったなという場面も多いですね。そんなときは、明日また同じ場面に出会えますようにと、ただ祈るだけです。

――では、最後に3.11と福島の取材をめぐる話と今後の抱負を伺いましょう。

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(つづく)

林典子(はやし のりこ)

1983年生まれ。大学在学中に、西アフリカ・ガンビアの地元新聞社、ザ・ポイント紙で写真を撮りはじめる。「ニュースにならない人々の物語」を国内外で取材。ナショナル ジオグラフィック日本版で、2012年9月号「失われたロマの町」、2013年7月号「キルギス 誘拐婚の現実」を発表。キルギスの誘拐結婚の写真は世界的に広く注目され、フランスの報道写真祭の特集部門で最高賞、全米報道写真家協会フォトジャーナリズム大賞の現代社会問題組写真部門で1位を受賞。その他、米ワシントン・ポスト紙、独デア・シュピーゲル誌、仏ル・モンド紙、デイズ・ジャパン誌、米ニューズウィーク、マリ・クレール誌(英国版、ロシア版)など、数々のメディアで作品を発表。著書に「フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 ―― いま、この世界の片隅で」(岩波新書)。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。