第93話 犯人は誰だ! 再び現場検証へ!

 かかってきた電話はスティーブからだった。

 ふと、あのオオカミたちの狩りのあとのことかと思ったが、彼の用件は、冬の間に設置している森の緊急避難用テントが雪に倒れていないか、一度確認に行ってきて欲しいというものだった。

 それは、この辺りでは最も標高が高い、ドームと呼ばれるツンドラの丸い丘の上にある。

 木々が少ないために、いつも強い風が吹き抜けていて、吹雪になると方向を迷い易いと言われている場所だ。

 もともとは罠師の道なのだけれど、今では森の住民たちも使うことがあるので、命を守る大切なテントになっているのだ。

 そこへ行くには、片道だけでも犬橇でまる1日かかるという。

 犬たち共に1泊するとなると、準備も必要になるため、私たちは明日の朝に出発することに決めた。

 私にとっては、初めてのお泊まり犬橇キャンプになる。心が少し浮き立った。

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