第8回 田村元秀 太陽系外惑星と宇宙における生命(後編)

 天文学の進歩、あるいは太陽系外の生命探しは、まさにこういうことの繰り返しです。
 天文学の父と呼ばれるガリレオが、口径4センチほどの望遠鏡を使って太陽系の中の天体を観測したのがおよそ400年前。1990年代になって太陽系の外に、第2の木星をとらえられるようになりました。さらには、すばる望遠鏡のような口径8メートルの時代になって、あるいはケプラー衛星のような宇宙望遠鏡を駆使することによって、系外惑星を直接観測したり、地球型の惑星をとらえられるようになったのです。

 次世代の開発も進んでいます。すばる望遠鏡の新装置によって、おそらく第2の地球が、近くの軽い恒星の周りに見つかってくると思います。次にTMTを使ってより詳しく調べる。チリにある電波望遠鏡ALMA(アルマ)を使うと、生命のもとになっているアミノ酸や、惑星の誕生経過がこれまで以上に詳しく調べられると思われます。

 そうした観測を通じて、宇宙に生命があるかどうか、アストロバイオロジーについて議論するための土台となるデータが提供できるのではないかと考えています。

 ということで、私の話は以上です。太陽系の外で生命が存在しうる星を見つけることについてお話しましたが、ここに知的生命がいるかを探るというのが、まさに次のトピックです。鳴沢先生にお任せしましょう。

 ありがとうございました。

田村元秀

田村元秀(たむら もとひで)

1959年、奈良県生まれ。東京大学大学院理学系研究科および国立天文台教授。太陽系外惑星探査プロジェクト室長。主な研究分野は、赤外線天文学、星・惑星系形成、系外惑星探査など。『NHKサイエンスZERO 地球外生命体を探せ』(共著、NHK出版)、『宇宙は「地球」であふれている ―見えてきた系外惑星の素顔―』(共著、技術評論社)などの著書がある。Webナショジオ「研究室に行ってみた。」の回はこちら

※ この連載は、2013年12月に相模原市立博物館で開催された講演会『宇宙にいのちを探す』の各講演を再編集したものです。

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