第8回 田村元秀 太陽系外惑星と宇宙における生命(後編)

太陽系外惑星探査の第一人者、田村元秀先生によるアストロバイオロジー入門の後編です。はるか彼方の太陽系外で惑星を探すのは至難の業。90年代以降、恒星のふらつきから見つけるドップラー法が編み出されますが、2000年、新たな方法が登場します・・・(編集部)

金星の太陽面通過(2012年6月)(提供:NASA/SDO, AIA)(写真クリックで拡大)

 ドップラー法による最初の系外惑星発見の5年後、2000年のことです。太陽系外の惑星を間接的に見つけるのに、もう一つ簡単な方法が見つかりました。トランジット法と呼ばれています。

「金星の太陽面通過」という現象があります。最近だと2012年6月に起きた、太陽の前を金星が横切る現象です。何が起きるかというと、太陽の前を横切るときに金星の小さな影ができるので、太陽から地球に届く光が一部削られて、ちょっとだけ暗くなるんですね。

 これと同じことが、太陽系の外の恒星でも起きるわけです。恒星の前を惑星が通過すると、ほんの少しだけ暗くなる。人間の目ではわかりませんけれど、最近の天文観測技術なら、この差をとらえることができます。

 この方法で系外惑星を発見したのが、当時大学院生だったデビッド・シャルボノーでした。天文台の駐車場に口径わずか10センチの望遠鏡を置いて恒星の明るさを測っていたら、急に暗くなって、またもとに戻った。この現象が数日おきに発見されたので、これはドップラー法で予想された惑星に違いないと考えたわけです。

 トランジット法は今、もっとも盛んに行われていて、次に紹介する系外惑星の候補はほとんどがこの方法で発見されています。

 では、現在どれくらいの数の系外惑星が見つかっているのでしょうか。