写真: ROBERT CLARK

 本誌で考古学記事を数多く担当している写真家のクラーク(右)。ペルーでの撮影経験も何度かあるが、今回取材したワリ文化の1200年前の墓は「これまでで最も遺物が豊富だった」と目を輝かす。

 遺跡からは新たな知見が得られているとはいえ、まだまだ謎は多い。その一つは宿泊したホテルにもあったと、クラークは話す。「フロントデスクの後ろに、ワリのつぼが置いてあった。ホテルのオーナーに聞くと、盗掘者から買ったもので、町ではよくあることだと言うんだ」

 それから3週間、彼は発掘現場や遺物を撮影しながらも、つぼのことを考え続けた。「その美しさを見せたかったし、どんな歴史を経てきたのかも気になった。私の解釈では、どこか“影のある”つぼなんだ」

 撮影したのは取材最終日。ポートレート写真家として光と影の使い方を学んだ経験を生かし、ホテルの従業員に壁の前でつぼを持ってもらった。「最後の最後に短時間で撮った。普段は入念に準備して撮るんだが、一瞬で決まることもあるんだね」

――ジェレミー・バーリン