家族農家が温暖化時代の農業のカギを握る

オーストラリア、干ばつで荒廃した畑に立つ少女たち(写真=Amy Toensing/National Geographic)

農業による貧困からの脱却

 小規模農家の手法は、気候変動や人口増加時代の食料供給のあり方を示している。しかし同時に彼らは、気候や人口の変化にとりわけ脅かされる存在でもある。

 サハラ以南のアフリカやアジア、中央アメリカでは、2ヘクタール以下の家族農家の大半が、耕作の困難な痩せた土地で農業を営んでいる。つまり気候変動や異常気象の影響を受けやすい土地ということだ。たいていの農家は貧しく、栄養状態も十分でない。そのうえこうした家族農家が集まっているのは、これから急激に人口が増える地域だ。限られた資源がさらに乏しくなるのは目に見えている。

 元農務長官のグリックマンはこう語る。「途上国の貧しい人々の大半は地方の農村に暮らしています。サハラ以南のアフリカや南アジアの家族農家や小規模農家に、より優れた農法に必要な道具、良質な種子や肥料、良い作物を育てるための技術情報を提供すれば、彼らを貧困から救い出すことができます」

 フードタンクが引用した国連ミレニアム プロジェクト・ハンガー タスク フォース の報告によれば、世界で飢餓に苦しんでいる人々のおよそ半数は小規模な家族農家だという。 こうした農家に投資すれば、より栄養価の高い作物を栽培できるようになる。それは農家を貧困から抜け出させるだけでなく、温暖化の進む地球を救うことにもなる。

(文=アンドレア・ストーン/訳=小野智子)