家族農家が温暖化時代の農業のカギを握る

イタリアの家族農場で孫娘を抱く年老いた農夫(写真=Jay Dickman/National Geographic)

 一方、国連は2014年を国際家族農業年(IYFF2014) と定めている。これは、正当に評価されていない農家に対する認知度を高め、気候変動や栄養不良、貧困といった問題に対し家族農家や小規模農家が果たしうる役割に焦点を当てている。

温暖化の影響が農業にも

 IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は4月 、地球温暖化の影響はすでに干ばつや猛暑、鉄砲水といったかたちで顕在化していると警告した。

 こうした気候変動は農業に大きな影響を与える。従来、食料の生産や流通を妨げてきたのは、内戦や政情不安、貧弱なインフラといった政治状況だった。
 しかし、USAID(米国国際開発庁)の農業生態学者、ジェリー・グローバーは「重大な変化」が起こっていると言う。「食料不足をもたらす新たな原因が生じています。土壌の劣化や気候変動の影響で、十分な収量を得られない農地が増えているのです」

 フードタンクの報告書では、気候変動や食料価格の高騰、自然災害や紛争への対抗手段として、小規模農家が古くから実践しているさまざまな「農業生態学的な手法」を挙げている。

 例えば、植栽した樹木の間で農作物の栽培や家畜の飼育を行う森林農業(agroforestry)や、太陽光発電を利用して作物の根に直接給水する点滴灌漑、複数の作物を隣接して栽培することで日光や水、養分を最大限に利用する間作農法、生育の早い植物を植えて土壌の侵食を防ぎ、養分を補給する緑肥農法などだ。