第74回 昆虫の季節到来! 見て見ぬフリはできないのである

 虫のペースに振り回される5月がやってきた。
 2月の半ばぐらいから目にする昆虫の数が少しずつ増えて、4月の半ばを過ぎたとたん、ド~ンと数が大爆発! 乾季から雨季へと向かうこの時期になると、虫たちが活発に活動をし始め、同時にぼくの生活も大爆発する。

 昆虫の飼育のための餌採りに餌やり、写真撮影、データの記録、標本作り、灯火採集もしている。夜明けとともに虫たちを観察し始め、夕暮れから夜中にかけて虫たちとの戯れが終わる。この1カ月間で、撮影した写真の枚数は31033枚。平均すると毎日1000枚、多い日は2500枚を超える。午前1時頃まで眠れない日が続く。今日は早く寝るぞ!と毎日宣言してはみるが、効果ナシ。夢の中で、虫の世話をしていることもある♪

 原稿の締切日は過ぎ、やらないといけないことは一向に減らない。
 それなのに、やりたいことはどんどん増えていく。疲れてはいるはずなのだが、興味や関心からは、逃れられない。新鮮な刺激は脳への栄養だ。

 たとえば、蛾の幼虫に食べさせるためにコナラの葉を採集していたときのこと。葉と葉の間に透き通るグリーンのゴキブリの幼虫がいた。「成虫はどんなんやろう?」と、疑問がわいてくると、採集せずにいられない。飼育決定だ。

 葉の上に溜まる漂積物などを食べていると聞いたが、実際何を食べるかわからなかったので、飼育ケースにコナラの葉やリンゴ、バナナ、マメ科の湿った落ち葉、フトモモ科の花などを入れていると、10日後、成虫になった。昼間は、コナラの黄緑色の若葉の裏でじっとしていて、夜中にリンゴとバナナを好んで食べている様子だ。

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オオゴキブリの一種(ゴキブリ目:オオゴキブリ科)の成虫
A green cockroach, possibly Panchlora sp.
幼虫が成虫になった。これは初めて見る種。おそらくグリーンバナナローチ(Panchlora属)の一種だが、夜の光によく集まって来る種とは違う。ちなみにPanchlora属のゴキブリはコスタリカに10種ほどいるという。
体長:12 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ(写真クリックで拡大)