ちなみに数年前、ヒ素を使う生き物が見つかったという話があったのを覚えている方もいらっしゃると思います。もちろん、そういう生物はいないかといえば、いるかもしれません。でも、あまり賢くない生き物ですね。宇宙の中で、ヒ素はとても少ない元素です。リンのほうが1000倍ぐらい多いですから、わざわざヒ素を使うというのは、かなり珍しい生き物といえるでしょう。

 それで結論として、人の体は宇宙からできていると言えます。どこにでもあるものを使っているので、当然、火星でも探せば、地球と同じような生命がいるんじゃないかと思っています。

生命体を見つける秘薬

 我々が思いついた、火星での生命探しのポイントがもう一つあります。
 それは、「生命体ならば、きっと膜に囲まれているに違いない」ということです。要するにシャボン玉のようなものなんです。

 我々の体の外側と内側を区別しているのはなんでしょう? 表皮、皮ですよね。皮の外は体の外側で、皮の中は体内。そういう見方をしていくと、微生物の場合には皮がないのですが、皮に相当するのが細胞膜という膜なんです。これはシャボン玉と同じで、非常に薄い膜でできています。火星にも生き物がいたなら、こういった膜を持っているに違いないと考えています。

 ここで整理しましょう。我々の火星生命探査計画のポイントは二つです。
 ひとつは、きっと地球の生き物と同じように、宇宙にありきたりの物質、炭素と水素と酸素と窒素でできているということ。つまり有機物でできているでしょうということです。
 そしてもうひとつは、膜に囲まれていること。ほかにもいろいろポイントがあるのですが、ちょっと難しいので置いておきます。
 そういうわけで私たちの火星生命探査計画では、有機物であることと、膜に囲まれていることを目印にして、生き物を探そうと考えています。

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