第5回 山岸明彦 火星での生命探査計画(前編)

 ですので、火星にこういう物質があるかどうかを調べると、これがあるんですね。確定してるわけではないんですけれど、これらの物質がある可能性は十分にある。

 まずは水です。火星にはクレーターがたくさんあるのですが、その中の1つのクレーターの壁のところに不思議な現象が見つかった。

火星クレーター斜面で水が流れた跡と推定されている場所(画像:NASA)(画像クリックで拡大)

 二つの写真は同じクレーターですが、1999年には何もなかったところに2005年には怪しげな、何かが流れた跡がある。この流れた跡が出てくる時期が、どうも春。出てくる場所も何か決まりがあるようだ。それで計算して調べてみると、非常に濃い塩水ならば、液体の水が流れていておかしくないということになってきた。そうして今、かなり多くの人が、これは水ではないかと思い始めています。

 それから、これが2009年の私の心変わりのひとつの理由です。この年、火星でメタンが出ていることがわかりました。メタンは微生物の餌になりえます。餌があるなら微生物がいてもいいと、私は心変わりをしたわけですね。ただし、メタンが出ているかどうかについては、まだ異議を唱えている人もいるので、確定ではありません。