となり近所の住人とはいえ、ウィルと野生動物たちは、いつも友好的な関係を保っているというわけではなさそうでした。

 じつはビーバーたちは、夜の間にかなり遠くまでやってきて、ホームステッドの敷地内を歩くらしく、ウィルがせっかく植えたリンゴの木を食べてしまうことがあるのだそうです。

 それに、オジロジカたちも、夜のうちに菜園の野菜を食べにくることがあるのです。

 もちろん、食べられっぱなしではなく、リンゴの木の根元に鉄の網を巻いたり、菜園にフェンスを設けるなどして、被害を最小限にとどめる対策をしていました。

 でも、どうすることのできない相手もいるようでした。

春の森はにぎやかだ。歩いていると、どこからともなく太鼓を叩くような音が聞こえてくる。エリマキライチョウが、丸太の上で羽を打ち鳴らして、なわばりを主張しているのだ。(写真クリックで拡大)

 この森には、キツツキがたくさん暮らしているのですが、なかにはキャッスルの外壁に穴をあけて、巣作りをするのもいるのです。

 キャッスル全体を網で覆うわけにもいかず、こればかりは防ぎようがないので、ウィルも困っているようでした。

 肩を突き合わせて暮らしている以上、隣人同士というものは、なにかしら問題を抱えてしまうのが、この世の常なのかもしれません。

 キツツキと言えば、シルスイキツツキという種類の鳥もまた、この森の住人でした。

 その名の通り、木の汁、つまり樹液を吸うのです。

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