第4回 神の素粒子を検出するということ

(写真クリックで拡大)

 考えてみれば、検出器が巨大すぎるのである。地下空間も、検出器にフィットするサイズで、足場などをくめばそれでいっぱいいっぱいだ。

 衝突点は当然ながら、内側のセンサー類はほとんど見ることはできない。それでも、金色に見える外側のパネルがミューオン検出器であることは確認。これは日本チームが貢献した部分で、ヒッグス粒子の発見にも大いに寄与した。あとは、ただただこの巨大な検出器の中で、高エネルギーの衝突が繰り返されてきたことに思いをいたすのであった。

 一方、地上の建物に設置された制御室は、もう少し分かりやすかった。

 前の壁は8つの画面を同時に映すスクリーンになっていて、背後には弧を描いた長机が2列に配されている。何か巨大な実験を研究者たちが見守るイメージそのもので、映画の撮影にも使えそうだ。

(写真クリックで拡大)

 実験が続いている時には、毎日24時間態勢で、ここに人が詰める。椅子が足りなくなるほど人が多くなる場合もあるが、実験を見守る様子は、かなり淡々としたもののようだ。

 これがロケットによる人工衛星の打ち上げなら、ロケットが燃焼終了し、人工衛星を適切な軌道に投入したところで、「成功しました!」とばかりに拍手がわき上がり、握手しあい、ハグしあい、といったシーンになるかもしれない。しかし、ヒッグス粒子発見の際には、そういうことはおこりえなかった。