写真: MIKE HETTWER

 バングラデシュで船の解体場を取材中、写真家のヘットワー(右)はいつも夕方になると、作業員が休憩する小屋に駆けつけた。「黄金色の光が次第に壁を下りてくる場面を撮るためだが、それはほんの数分の出来事なんだ」と彼は話す。男たちは暖かそうな夕日を浴びて体を休めながら、お茶の時間がずっと続けばよいと思っているようだった。このあとまた、危険な解体作業に戻らなければならない。

「取材を始めたときは、巨大な船がばらばらになっていく迫力に魅せられていた」とヘットワーは語る。「でも、ストーリーの中心にあるのは、たった数百円の日給で命の危険を冒して働く男たちだと気づいたんだ」。6年間に何度も通ったなかで最も強烈な体験は、近くの船で起きた爆発の衝撃波を感じたこと。「私は解体場から閉め出され、煙の上がるがれきの中から同僚の遺体を大慌てで運び出す作業員たちの姿を、遠くから見るしかなかった」

――ピーター・グウィン