「不眠=不眠症」ではありません

厚生労働省が作成した睡眠障害のスクリーニングガイドライン(『8時間睡眠のウソ。』(日経BP社)より)(画像クリックで拡大)

「うつ病の中心症状は「抑うつ気分」と「意欲の低下」なのですが、これを自覚できる人は少なくて、倦怠感や食欲低下、不眠などの周辺症状を訴えることが圧倒的に多いんです。中でも不眠はうつ病の発症に先がけてあらわれるため、患者さんが最初に認識する症状として知られています。早期発見が重要なうつ病では、初期に正しく診断することがとても効果的です」

 三島さんによれば、「不眠が治らない」といって睡眠専門外来に相談にこられる人のうち、原発性不眠症(図では一番下の「精神生理性不眠症」)、すなわち何かほかの病気や原因から誘発されたのではない不眠症と診断される人は2割程度とのこと。逆に言うと、8割は他に対処すべき原因のある不眠か、不眠症以外の睡眠障害ということになる。誤診のため睡眠薬では治らなかったという図式だ。

「睡眠医学は新しい分野のため、専門的な知識や経験があるドクターは限られています。不眠の訴えがあるだけで安易に不眠症と診断し、睡眠薬を処方するケースは残念ながら少なくありません。睡眠医療の専門外来はまだ全国的にも少ないので、睡眠に問題を感じる場合にはまずは通いなれたかかりつけ医に相談してください。ただし、定型的な治療で効果が現れない場合は、安易に睡眠薬を増量するのではなく、睡眠障害に詳しいドクターの多い精神神経科、心療内科、神経内科などを受診することをおすすめします」

(Web編集部)