第4回 堀川大樹 宇宙生物学とクマムシと私(後編)

 行ってみるとたいへん多くの宇宙生物学者が参加していました。ただ、やっぱり恐れていた通り、みんな微生物、単細胞生物ばかりを研究対象にしているんです。
 そのうえ参加者およそ800人のうち、日本人研究者は4~5人くらい。3人くらいはアメリカ在住の研究者で、日本からわざわざ来たのはたぶん私一人だった。肩身の狭い思いをしながら、自分だけアニマル、緩歩動物クマムシの発表をしました。

 そしたら、何とですね、このクマムシの発表が、学生部門の第2位に選ばれたのです。当時のNASA宇宙生物学研究所の所長から表彰されて、副賞に賞金までもらえた。このことだけでも、日本とアメリカにおけるアストロバイオロジーへの取り組みの差を感じました。
 よし、やっぱりクマムシと宇宙生物学をテーマに研究をしようと思いまして、国内でもいろいろ応募しました。10カ所以上応募したのですが、全敗。「おまえ、何そんなトンデモ科学みたいなことやってんの?」みたいな反応もありました。今でもそんなに知名度はありませんけれど、当時は特に宇宙生物学という言葉は知られていなかった。

 さすがに研究をあきらめようかなと思ったときに、NASAのフェローシップの審査に通りました。クマムシが私をNASAに連れていってくれたわけです。

NASAのエイムズ研究センター(提供:堀川大樹)(写真クリックで拡大)