第3回 堀川大樹 宇宙生物学とクマムシと私(前編)

お二人目の解説者は、クマムシ研究の堀川大樹先生です。宇宙生命とどんな関係が?と思われるかもしれませんが、実はクマムシは高温、高圧、放射線にも強い“地球最強生物”。NASAの研究所などでクマムシの極限環境耐性を研究してきた堀川さんにお話をうかがいましょう(編集部)。

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 堀川です。「クマムシと宇宙生物学と私」という、ちょっと昔のヒット曲のようなお話をします。タイトルに「私」とあるとおり、主観的な人生経験から見たクマムシと宇宙生物学の話ですから、リラックスして聞いていただけたらと思います。

 クマムシのことは皆さんご存じと思いますけれど、もしかしたら知らないという奇特な方がいるかもしれないので(笑)、まずはクマムシの紹介をしますね。

高温、高圧、放射線でも生きのびる

活動中のヨコヅナクマムシ。右側が頭。(提供:堀川大樹)(写真クリックで拡大)

 クマムシは、緩歩動物門という分類に属する生き物で、今のところ1000種以上が知られています。体長は0.05ミリから1ミリぐらい。ほぼ全世界に分布していて、海の中から山の上までいろんな環境にいます。これから詳しく説明しますけれど、乾眠という、乾燥しても仮死状態になって生きのびるという特徴があります。さらに、乾燥以外のストレスにも耐えられるという特徴も持っています。

 これがクマムシの乾眠についての説明図です。普通、クマムシは水がある状態でのみ動き回り、水がなくなると体の中の水がぬけて乾眠状態になる。雨が降ったりして再び水が得られると、給水してギュルンギュルンと活動状態に戻るんですね。

(提供:堀川大樹・阪本かも)(写真クリックで拡大)