ホームステッドの広大な敷地内に、他人の家は見当たりませんが、そのかわり、たくさんの野生動物たちが暮らしていました。

 そんな彼らを、ウィルは「Neighbor」、つまり「隣人」と称して、ことあるごとにぼくに紹介してくれました。

 まず、最初に紹介してくれたのは、ビーバーでした。

 ホームステッドの西側に沼地があり、そこにビーバーの家族が暮らしていると教えてくれたのです。

湖の氷がとけたばかりのノースウッズ。カヌーで旅をしていると、小さな島の上にカナダガンの巣を見つけた。(写真クリックで拡大)

 言われた通りの方角へ行ってみると、3方向を岩盤に囲まれた窪地があり、そこに水がたまって、広い沼地になっていました。

 ピケッツ湖に面した南側は、ビーバーがつくったダムによってせき止められていました。

 そのせいで、泥や枯れ木が底にたまったのか、沼地の北半分は背の高い草に覆われ、すでに草原と化していました。

 それでも、ダムの近くは、ある程度の深さがあるらしく、池のような水面の真ん中に、カヤックの旅でも見た、ビーバーの巣が突き出ていました。

 ぼくはダムの方へと降りていき、その端に辿り着きました。

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