第106回 タイ菓子が呼び込む金運、人運、仕事運!

 さらに驚いたのはメットカヌン。緑豆餡に卵黄をまぶした小さなカプセル形のお菓子なのだが、正直、初めはあまり美味しそうには思えなかった。出来立てではなかったのか、つまんでみるとかなり硬かったからだ。

メットカヌン。カプセル形に仕立てた緑豆餡に卵黄をまぶし、煮立てたシロップに入れて固めたもの。タロイモ餡を使うこともあるが、基本は緑豆だそう。甘く香りが強いタイ菓子は苦手な石川さんも好きだという、優しい味わいのお菓子

 そういえば店のオーナーであるソンブン・パンカシコさん、「粉を使ったお菓子など、少し硬くなったものは電子レンジで何秒か加熱すると美味しいですよ」といっていたなぁ。そこで、粉は使っていないお菓子なので邪道かも…と思いながら、レンジでチン!としてみたところ、卵黄で覆った表面に照りが出て食欲をそそる様子に。そして、ポンと口に放り込むと、これがとても美味。緑豆餡にココナッツミルクを混ぜ込んでいて、よい香りもする。甘さもほどよく、様々なタイ菓子を試食する中、リピートするならこれ!と思ったお菓子のひとつでした。

意外な組み合わせがクセになるタイのお菓子

 さて、今回の探検では出会ったみなさんに好きなタイ菓子を聞いてみた。これが、みな意外なセレクション。まず、「ほんとに?」と思ったのが、「バーンカノムタイ」で働いていた女性お薦めの「ロッチョン」だ。

 ロッチョンは、上新粉を用い、パンダンで色や香りを付けた麺のような生地を甘いココナッツミルクと一緒に食べるお菓子。ロッチョンに似た緑色の麺はインドネシアやシンガポールにもあって、これを使ったデザートを食べたことがある。特に印象的な記憶がなかったことから、思わず「どんなところがいいの?」と聞いたら、彼女は一言「アロイ!」(タイ語で美味しいの意味)。ソンブンさんも、「日本人にもすごく人気ですよ」と教えてくれた。同店は、毎年代々木公園で開催されるタイ王国大使館主催のタイ・フェスティバルに出店、お菓子を販売しているのだが、ロッチョンはそこでの人気デザートらしい。

 小さな穴がいくつも開いたロッチョン作りの道具に生地を上から注ぐと、穴から下に落ちる生地が自然に麺状になっていくそうだが、「麺の硬さの具合を調節するのがすごく難しい。硬すぎてもいけないし、軟らかすぎてもいけないんです」とソンブンさんはいう。

「バーンカノムタイ」のスタッフがメットカヌンを作っているところ。緑豆餡をきれいなカプセル形に整えている
左:ロッチョンの麺はこんな感じ。これだけ見ると色付き糸コンニャクのよう? 右:ココナッツミルクに左の麺を入れたところ。この麺の食感が抜群なのです。お菓子の感想は次ページで!