第1回 すべてが完璧だったその一瞬

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 その難民キャンプである朝、学校用のテントの前を通りかかりました。テントは女子校でした。イスラム教国のアフガニスタンでは、宗教上の理由から学校は男女が別々になっています。

 私は、先生に撮影許可を求めて了解を得ました。中を見渡すと、彼女はテントの片隅にいました。私がかつて見たことのない表情、そして鋭い緑色の瞳をしていました。のちに「ナショナル ジオグラフィック」の表紙を飾ることになる12歳の少女です。

 彼女はとても美しかった。しかし、ただ美しいだけではなく、何か気になるものを秘めている。そんな印象を持ちました。

 アフガン難民のキャンプを描くという私のフォトストーリーにとって、彼女はとても重要な写真になると直感しました。そして、私はその学校での撮影の最後に彼女に声をかけ、撮影させてもらったのです。

――厳しい戦時下をくぐり抜けてきた彼女の内面をうかがわせるようで、その表情は見る者を釘付けにします。こういう表情をとらえるのは、簡単なことではないように思われますが。