「一般相対性理論って、たかだか太陽系ぐらいでしか検証されてないんですよ。で、太陽系って宇宙的に見るとちっちゃいんですよね。それを宇宙規模まで適用していいっていう保証はどこにもないんですよね。ニュートンが林檎を見て、距離の2乗に反比例して作用することに気づいたって話も、たかだか地球レベルでしか正しくなかったわけですよね。太陽系レベルまでいくと、一般相対性理論が必要になると。じゃあ、その先って、どうなっていくのか。特定の条件では一般相対性理論が近似として正しくなるような新しい理論が必要になるわけです……」

 小松さんは、この件について確かめるべく、前任地テキサス大学が持っている10メートル級ホビー・エバリー望遠鏡を使った研究計画を開始するところだ。100億光年圏内にある銀河までの距離を正確に測定し、宇宙がどのくらいの速さで膨張しているのかを探る、今年2014年から始まる「実験」だ(WMAP衛星にせよ、ひとつの目的に特化した仮説検証型の観測を、小松さんは「実験」と表現する)。

「暗黒エネルギーの密度は宇宙のどこでも時間がたっても変わらないというのが今の定説ですが、僕は、あらゆるエネルギーは時間に対して絶対に変化するものだと思っています。だから、時間軸の中の変化を見つけるのが僕の仕事です。暗黒エネルギーが時間とともに変わることが証明されれば、大きなブレイクスルーになりますよ。僕たちの実験のユニークな点は、宇宙が現在の大きさの1/3程度だった頃(100億光年先の宇宙が見せてくれる時期に相当)の暗黒エネルギー密度を測定するところです。これを現在の密度と比較する事で、時間変化を見つけようと思っています。」

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