前回の最後に、実はビッグバンは宇宙の始まりではない、という刺激的な話題を盛り込んだので、本筋の再確認を。

 小松さんは、WMAPの計画に参加し、「宇宙論を決める」仕事に大いに寄与した。信頼を勝ち得、2年に一度に出されるWMAP衛星の観測と分析の論文の筆頭著者を、2009年、11年に任され、宇宙の歴史をかなりの精度で確定した。

 では、それはどのように行ったのだろう。

 宇宙背景放射のゆらぎを高精度で見ることで、様々なことが明らかになったわけだが、それをもう少し詳しく知りたい。取材するにしても読書するにしても、素人なりに理解できるところまで限界に挑戦するのが、こういったテーマの醍醐味である(よって、本稿の場合、どこで匙を投げるかは、ぼくの力量の限界でもある)。

 小松さんに問うたところ、これまた強烈に面白い答えが返ってきた。

「実は、音波を見なければならなかったんですよ」と。

 もう頭の中は???である。

 宇宙なのに音波?

 ぼくの理解では、音波は地球上にある大気のように物質がかなり密にあるところではじめて伝わるものだ。よく宇宙を舞台にしたSF映画などで、敵宇宙戦艦にミサイル(波動砲でも、なんでもよい)が当たった時、派手な効果音が付けられているが、本来は音は伝わってこないとわかった上で、演出上、必要と判断されているのだろう。

 なにはともあれ、音波を見る、とはいかなることか。

自分のチームの報告会で指示を出す小松さん。(写真クリックで拡大)

本誌2014年4月号でも特集「宇宙誕生 見つめる目」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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