「──音波の波形を見るっていうことに尽きます。観測で得られた波形をインフレーション理論の予想と比べるわけですよね。理論の予想には、前にも言いましたが、6個の自由なパラメーターがあって、観測と合うようにそれらを決めていくわけです」

「──それらのパラメータと直接関係しているのは、例えば水素原子とかヘリウム原子核の量、暗黒物質の量と暗黒エネルギーの量、初期ゆらぎの振幅、さらにそれがどういう空間分布をしているか。それから、宇宙の晴れ渡りの後に、星が出来るようになると、また一部で陽子と電子が再分離するので、それに当たった光はまた散乱されるわけですが、それがどの程度か……といったことです。それらをまず決めて、その数値を使っていろんなものを求めていくという2段階のプロセスです」

 その結果を一般の人にも分かりやすく表現したものが、以前にも紹介した宇宙の誕生から現在までを描いた図表だった。特に宇宙の年齢が137億年という部分は、非常に有名になった。

 また、もう少し専門的になるが、WMAPの観測で、通常の物質、暗黒物質、暗黒エネルギーの割合がはっきりしたことも大きなトピックだ。

 なによりショッキングなのは、「通常の物質」がこの宇宙では極端に少なく、たった5%ということ。その一方で、直接観測できないが重力を及ぼす暗黒物質(ダークマター)が23%。さらに謎めいた暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が72%と弾き出された。

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