小松さんがこれまでかかわってきた仕事の多くは、「宇宙背景放射」にかんするものだ。

 これは文字通り、宇宙の背景に満ちている放射。2.7ケルビン、つまり地球上の日常感覚では絶対零度に近い厳寒だが、それでもゼロではない。この巨大な宇宙は一定の「温もり」に満ちている。現在の我々の宇宙では、2.7ケルビンに相当する光がどこにでも飛んでいる、と言ってもいい。

「宇宙背景放射が発見されたのは1965年です。電波望遠鏡での観測で、どの方向からも入ってくるノイズが見つかったんです。ノイズ源などいくらでもありますから、観測していた人は、最初は地球大気からのものですとか、検出器の電気的なものなど、ありとあらゆるものを疑っていたんですが、どうしてもそれが残ってしまうんです。ちょうどその頃に、宇宙には背景放射があるはずだと予測した理論があって、これがそうじゃないかということになったわけです。すぐに別の波長でも観測されて、宇宙背景放射は3.0プラスマイナス0.5ケルビンというところまでわかりました。それをやったのが、ウィルキンソン博士で、その後もっと精密な観測をするためのCOBE(コービー)衛星や、僕がチームに入ったWMAP(ダブリュー・マップ)衛星にもかかわりました。WMAPという名前(ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査衛星)は、研究成果が出る前に亡くなった彼にちなんでWの1文字を頭につけたんです」

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本誌2014年4月号でも特集「宇宙誕生 見つめる目」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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