北極探検に話が及ぶと写真も豊富にあるのか、ウィルは、ホームステッドから持ってきたスライド・フィルムをスクリーンに投影しながら話をしました。
スクリーンに映し出された写真は、どれも雪と氷の写された、寒そうな青と白のシーンばかりで、見ているだけで肌寒く、部屋の気温が少し下がったように感じました。
荷物をたくさん積んだそりを押しながら、巨大な氷の壁に向かって進んでいる様子は明らかに大変そうで、写真が映し出されるたびに、観客からも、「オーッ」と、うなるような声が自然とわき上がりました。
そして、ウィルが南極大陸横断の成功までを語り終えたとき、登場したときよりもさらに大きな拍手に包まれて、講演は終わったのです。
ミネソタもかなり寒くなる地域ではありますが、森林地帯です。
さすがに木も生えず、遮るものがない極地の、体感気温マイナス100度ともなるようなブリザードは想像を超えていて、実際に探検の現場で撮られた写真は、人々の胸に迫るものがあったのでしょう。
みんながウィルの体験談に聞き入った後は、質疑応答の時間になりました。