第1回 宇宙の始まりの光を求めて

 ミュンヘンを訪ねるのは、2006年サッカー・ワールドカップのドイツ大会開幕戦、ドイツ代表対コスタリカ代表の試合を観て以来だった。

 試合の前日の午後遅くに到着し、次の日、試合が終わると移動してしまったので、町の印象は薄い。中心部にあるマリエンプラッツ(広場)で、陽気なコスタリカ人の観戦客と踊ったことくらいしか覚えていない。

 さて、今回訪ねたのは、ミュンヘン郊外にあるマックス・プランク宇宙物理学研究所の小松英一郎所長。高名な物理学者の名を冠したマックス・プランク学術振興協会の傘下で、「マックス・プランク○○研究所」を名乗る研究機関はドイツじゅうに80ほどあって、様々な分野で先端的な地位を占めている。大学のように学部学生を教えるわけではなく、基本的に公的資金で運営されている研究のための機関だ。その中でも花形の1つと目される宇宙物理学の分野で、日本人研究者が所長を務めているのである。

 マリエンプラッツから地下鉄に乗り"Garching-Forschungszentrum"という駅で降りるようにと指示されていた。ドイツ語は挨拶くらいしかできないので、やや苦労しつつなんとか目的の路線に乗り、安心したところで窓の外に見えたのは、2006年ワールドカップで開幕戦に使われたアリアンツスタジアムだった。どうやら、期せずして8年前と似たルートでぼくは行動しているようだった。

 20分そこそこで到着したGarching-Forschungszentrum駅を降りると、すぐに大学のキャンパスらしきものがあり、小規模な研究学園都市という印象を受けた。そこから徒歩10分くらいで、目標の「マックス・プランク宇宙物理学(Astrophysik)研究所」が見えてきた。

ミュンヘン郊外のマックス・プランク宇宙物理学研究所。(写真クリックで拡大)

本誌2014年4月号でも特集「宇宙誕生 見つめる目」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

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