写真: JEANNIE RALSTON

 10時間の勤務を終えた炭坑労働者。だが、この後も夜10時半まで石炭を燃やし続け、燃料のコークスを作る。家で調理や暖房に使い、余ったら妻が近くの市場で売るのだという。「彼も私も子を持つ父親だ」と写真家のケンドリック(右)は話す。「違いは境遇だけなんだ」

 この村があるインド東部の炭坑で、男性は週に6日、石炭が入った重さ30キロのかごを頭に載せて運ぶ。1日に運ぶ量は4トンに達するが、日給は日本円で400円程度にすぎない。炭坑では何十年も前に起きた火事で石炭がいまだに燃え続け、村はいつも煙に覆われている。

 ケンドリックは、まず数日かけて村人と信頼関係を築いてから、撮影を始めた。「私は火から2メートルほど離れていたが、それでも手が焼けそうなくらい熱かった」と彼は話す。男性の強さに感服したケンドリックは、村を去る前に男性の家族写真を撮り、現地でプリントして、このたくましい父親にプレゼントした。

――イブ・コナント