海の弾丸、マグロが高速で泳げる秘密とは

地中海に設けられたいけすを泳ぐクロマグロ。写真=Brian Skerry
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 産卵場所やエサを求めて大海を高速で回遊するマグロ。一説には時速160kmで泳ぐこともできるとさえ言われており、これほど高速で泳ぐためにマグロの身体には様々な仕組みが備わっている。

 その一つはマグロの体形だ。典型的な流線形をしており、海水中を高速で泳いでも大きな抵抗を生じさせることはない。方向転換する時に使う胸びれ、腹びれ、背びれ(第1背びれ)は抵抗の原因になりかねないが、マグロの場合、身体にある溝や凹みに収納でき、抵抗を抑えられるようになっている。

 高速で泳ぐと身体の周囲に生じる渦流によって抵抗が発生してしまう。そこで、マグロの第2背びれ、臀びれの後ろには、小離鰭(しょうりき)と呼ばれる三日月形の小さな突起があり、渦流を抑えて抵抗の発生を防いでいる。

 さらに、尾びれの付け根には尾柄隆起縁(びへいりゅうきえん)と呼ばれる水平尾翼のようなふくらみがあり、高速で泳いだ際に身体を安定させられるようになっている。