第105回 タマネギの香りが命? タイのプリン菓子

タイ菓子は野菜もどんどん使う!?

 一方、「タイ菓子には変わった特徴もあるんですよ」とは、ダー先生の通訳をしてくれた同センターの石川智子さん。タイの大学院で学び、現地の文化への造詣が深い女性だ。

 どういうことかと聞いてみると、お菓子を意味する「カノム」という名前が付いているのに、材料に野菜などを使う「料理風」菓子もあるというのだ。パクチーの根やニンニク、豚肉を使った「お菓子」もあるそう。同センターのお菓子写真には、「カノムクロック」というタコ焼き器に似た調理器具で作る、半球形の生地の上にネギやトウモロコシなどをトッピングしたお菓子もあった。生地には砂糖も塩も入っているため甘塩っぱいらしい。甘いお菓子と塩味スナックを合わせたようなおやつだ。

カノムクロック。ぱっと見には、お菓子には見えません(写真=タイ教育・文化センター スアンドゥシットラチャパット大学東京校)

 日本のタイ料理店でもよく見かけるタイ菓子の一つに「カノムモーゲーン」というココナッツミルク、卵、ヤシ砂糖を使ったタイ風焼きプリンがある。実はこれを作るときも、ホームデーンという紫色の小さなタマネギが欠かせないのだそう。

 「プリンの上に揚げたホームデーンをトッピングするのですが、このとき使った揚げ油を生地に混ぜて香りを付けるんです。ホームデーンの香りがお菓子全体からするのが、このお菓子のポイントです」とダー先生はいう。

 カノムモーゲーンと思われるお菓子は何度か食べたことがあったが、タマネギの風味なんてしたかなぁ。揚げタマネギがトッピングされていなかった記憶から、日本人向けレシピだったのかと推測。