
スウェーデンのサーミの村によくある円すい型のテントの骨組み。トナカイの肉を燻製するために使われることも多い。 Photograph by Erika Larsen
Photograph by Mark Thiessen and Rebecca Hale
「この仕事には、女であることがぴったりなんです。女でよかった、と思います」
米国ワシントンD.C.に生まれたラーセンは、ハッブル宇宙望遠鏡の設計者だった父親を通して写真を知った。父親が、惑星やその衛星の写真をよく家に持ち帰ったのだ。
「クオリティが高かったのをよく覚えています。その写真が実際には遠く離れたものなのだ、と思ったことも。写真は魔法に違いない、と思いました」
大学時代は映画製作とアニメーションを専攻したが、最も魅力を感じたのは写真。「映画はチームの一員としての仕事だけれど、写真家なら自分一人でできるところが気に入ったの」
代表作は、北極圏に暮らすサーミの人々を記録したもので、2011年にナショナル ジオグラフィック誌11月号に掲載された。
ラーセンは実際に写真を撮り始める前に、2008年から2011年までサーミの人々の間で手伝いをしながら暮らし、その文化に浸った。料理や掃除、縫い物、トナカイの世話のほか、地元の大学でサーミ語を学んだ。
「すべきことをするためには、誰かの手伝いをするのがいいと気づいたの。私が本当にしたかったのは、彼らから学ぶことでした。彼らの暮らしについて先入観を持つことは避けたかったのです」
※ 写真集「ウーマン・オブ・ビジョン」に収録された作品とインタビューから抜粋しました。