第20回 カラフルすぎるリトアニアのお味噌汁

ガリナさんは駐日大使夫人として来日する前、外務省に勤めていたときに日本に留学していたという

 「リトアニア人は日本人と感覚がすごく似ているんです。だからきっと仲良くなれるはず」との玉木さんの言葉通り、親しみやすい笑顔の大使夫人、ガリナ・メイルーニエネさんと挨拶を交わす。ブースで販売されている数種類の料理を横目に、さっそくリトアニアのソウルフードを尋ねた。

 「シャルティ・バルシチェイですね」

 「え、何て?」

 失礼ながら、舌を噛みそうな名前に2回ほど聞き返してしまった。シャルティは日本語で「冷たい」、バルシチェイは「ボルシチ」の意味だとガリナさんが説明してくれた。ボルシチってロシアのソウルフードとして紹介したあのボルシチかな(第18回参照)。そう問うと「そうそう。ボルシチと同様にビーツを使ったスープなのでそう呼ばれています。でも全然違うものなんですよ」とガリナさん。ブースで出しているというので、いただくことにした。

 シャルティ・バルシチェイが入った器をもらって、まず驚いた。なんともまあ鮮やかなピンク色をしている。ビーツが赤い野菜なので、その色素が元なのはわかるが、なぜこんなにきれいなピンクになるのか。「食べるとわかりますよ」とガリナさんに言われてスープを口に運ぶと、さっぱりとした酸味が口の中に広がった。

 「サワークリームが入っているんです」とガリナさん。なるほど、ビーツの赤とサワークリームの乳白色が混ざったピンクなのか。酸味の中にとろりとしたまろやかさがあるのもうなずける。スープの中にはキュウリに玉ネギ、茹で玉子が入っていて、とくにシャキシャキとしたキュウリの食感が印象的だ。後味もすっきりさわやかで、「飲むサラダ」といった感じだろうか。

サワークリームでなくヨーグルトを使う場合は、生クリームと混ぜるとまろやかさが増す。酸味が足りないときはレモンで調整。今回は黒パンが添えられていたが、本来はジャガイモと一緒に食べるという