第4回 こんなにすごいアルマ望遠鏡

中国青海州で気球を使って調査したときのひとこま。右手前の濃い緑色のセーターを来た人が河野さん。(写真提供:河野孝太郎)(写真クリックで拡大)

 最初は、中国。

 ミリ波・サブミリ波は、水蒸気に吸収されてしまうのでできるだけ乾燥しているところがよい。そもそも上にある大気が薄い方が望ましいので、高地で乾燥しているのが理想的だ。そこで、中国の内陸の高地、それこそシルクロードを想起するような砂漠地帯などあちこちを調査した。さらには南米チリのアタカマ砂漠もリストにあった候補地ひとつだった。

「一番困るのは電源なんですよ。当たり前ですが、砂漠の中に電源はないので。チリの天文台が持っている電源を使わせてもらったり、最終的には自前で発電するように発電機を砂漠に持ち込むようになりました。発電機はさすがに現地で買うんですが、ほかの機材は全部、手荷物で機内に持ち込んだり、かなり無茶やってました」

 その結果、アタカマ砂漠の高地がベストであり、そこに国際協力で大きな観測施設を作ろうという流れができていった。超駆け足の説明ではあるが……以来、河野さんは、アルマの建設、試験科学運用、開所にいたるまで、いろいろな形でかかわり、今日に至る。計画通り66台の望遠鏡からなる「干渉計」が完成する日まで、あるいはさらに進化したアルマの拡張計画が軌道に乗るまで、見守り続ける立場となった。

左はチリでサイト調査を行った場所。右はパラナルのサイト調査時に200mのケーブルを自前で埋設しているところ。写真を拡大するとわかるが、石黒正人さんと川辺良平さんはアルマの産みの親。河野さんは当時修士1年生で、1年先輩の齋藤さんはアルマで長らく活躍の後、4月から野辺山宇宙電波観測所の所長として着任する予定。(写真提供:河野孝太郎)(画像クリックで拡大)
こちらはリオ・フリオでの調査時。左の写真に写っているのは河野さん。右は電源用の太陽電池。(写真提供:河野孝太郎)(写真クリックで拡大)