第2回 大学院生が超巨大ブラックホールで新発見!

アルマ「望遠鏡」。(画像提供:国立天文台)(画像クリックで拡大)

 チリのアタカマ砂漠の高地にある「天文台」、アルマ(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)は、ミリ波・サブミリ波で宇宙を観測する、最先端の施設だ。2011年に試験科学運用を開始、2013年には開所式を行った。

 すでにアルマでこそ可能になった、様々な研究成果があがっている。

 河野さんの研究室からは、「超巨大ブラックホール周辺での特異な化学組成の発見──新たなブラックホール探査法の開発に向けて」というプレスリリースが2013年10月に出された。対応する論文は、日本天文学会欧文研究報告(PASJ)10月25日号に掲載されたもので、修士課程の学生、泉拓磨さんが筆頭著者となっている。

前日にチリから帰国したばかりだった大学院生の泉拓磨さん。(写真クリックで拡大)

 ちょうどインタビュー前日にチリから戻ってきた泉さんが院生室に来ていたので、河野さんが声をかけ、この件、泉さん自身からうかがうことができた。

「今回、アルマで見た天体は、NGC1097、地球から4500万光年ほど離れた比較的近傍の銀河です。この研究室には、遠くの銀河をやる人と、近くの銀河をやる人たちと、両方いまして、僕はどちらかというと映像がより詳しくわかる近くの銀河で、ブラックホールのような派手な現象をみたい方です。それで、ちょうど河野先生から、これを分析してみないかと言われたんです」

(写真クリックで拡大)

 この発言を聞いてぼくが面白いと思ったのは、泉さんが4500万光年先の銀河のことを「近傍」と表現したことだ。これはたしかに銀河としては近傍なのだが、研究対象や研究分野によって「近い・遠い」の意味はかなり違う。例えば、太陽系の惑星を研究している人にとって火星や金星は「近い」けれど、海王星や天王星は「遠い」。4500万光年先は「超遠い」。

 さて、なにはともあれ、「近傍」の銀河NGC1097でいったいなにを見ようとしたのか。

本誌2014年3月号でも特集「星を食らうブラックホール」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

『8時間睡眠のウソ。
日本人の眠り、8つの新常識』

著者:川端裕人、三島和夫
睡眠の都市伝説を打ち破り、大きな反響を呼んだ本連載の「睡眠学」の回が、追加取材による書き下ろしと修正を加えて単行本になりました! 日々のパフォーマンスを向上させたい人はもちろん、子育てから高齢者の認知症のケアまでを網羅した睡眠本の決定版。睡眠に悩むもそうでない方も、本書を読んでぜひ理想の睡眠を手に入れてください。
アマゾンでの購入はこちら