そうこうしているうちに、まずはスキー技術がプロ並みの友人が先頭を切った。

 彼は、エスキモーの友人から貰ってきたという優秀な橇犬の血統を引く犬を飼っていて、その犬を自分の腰につなぎ、自分の体を引かせてスピードを出すというスキージョーと呼ばれるやり方で滑っていく。

 これはかなりのスピードが出るために、彼は、
「先に行って、キャビンを暖めておいてあげるからね!」と言って、あっという間に森の中に消えていってしまった。

 次は、その彼の友人。細身の男性で、私とは初対面だった。

 彼もまたプロ級のスキー技術で滑っていく。

 次は私。まだ準備を済ませていない友人カップルの前に、急いで出発することにした。

 私以外はみんなスキーで滑っていくので、歩きの私などすぐにも置いていかれるからだ。

 実はこのメンバーは、こういう冒険には日頃慣れているので、みんな自分のペースで行ってしまう。

 だからこの先、自分のリスクは自分で管理しなければならないのだ。

 森の中は、すぐにも下り坂になっていた。

 私は、腰に縛り付けて引っ張っていた橇の紐を解いた。

 ここからは、歩くよりも橇で滑ってしまったほうが早い。

 実は、念のためにとクロスカントリー用のスキーも持っていたが、雪質を見るとガリガリに凍っていて、道は獣道のように狭く、やはり私には難しいと判断したのだった。

 橇に乗せた荷物は、いつでも馬のようにまたがれるように括りつけ、寝袋をクッション代わりにもした。

 またがってみると乗り心地がよく、連続した狭いカーブも一気に滑り降りて、まるでジェットコースターのように勢いづいた。

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