第5回 エネルギー政策の焦点は原発だけ? 米国の最新再エネ研究所をレポート

原発だけではない日本のエネルギー政策の焦点

 日本のエネルギー政策の課題を露呈させた福島第一原発事故からはや3年が経とうとしているが、エネルギー政策の再構築に向けた大きな方針となるエネルギー基本計画はいまだ示されておらず、先が不透明な状況が続いている。そうした中、東京都知事選挙では“脱原発か? 推進か?”という原発論争に焦点が当てられたが、日本のエネルギー政策の建て直しを考えるには原発以外にも忘れてはならない大事な焦点がある。それは日本のエネルギーを多元化の方向に導く電力システム改革だ。

 エネルギー基本計画が未公表という先行きの見えにくい状況とはいえ、去年7月の参議院議員選挙では自民党、公明党の連立政権合意文書におけるエネルギー政策の方針は以下のように記されている。

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 また、2014年1月28日の衆院本会議における安倍首相の答弁においても、“省エネルギー社会の実現と再生可能エネルギー(以下再エネ)の導入を進め、原発依存度を可能な限り低減するのが基本方針”というこれまでの自民党の公約を踏襲した内容が述べられている。こうした発言から読み取れば、およそ今後日本が進む方向は原発依存度を極力減らし再エネをはじめ多様なエネルギーを活用するエネルギーの多元化という方向であり、この方向を実現するために策定されたのが本連載4回で紹介した、「電力システムに関する改革方針」、即ち電力システム改革となる。

 日本はおよそ60年間と言う長い間、電力10社による地域独占、発電~送電~配電~小売に渡る業界独占、そして原発を柱とした大規模集中型の発電というエネルギー体制をとってきた。

 一方、今後目指すべきエネルギーの多元化という方向では、地域独占ではない電力の広域運用、発電から小売に渡る多様な担い手の創出、再エネをはじめとする分散型の電源の活用という体制を構築することが必要になる。

 これは日本のエネルギー体制を根本から再構築することであり日本の電力史上かつてない大改革と言え、原発の有無に係わらず日本が取り組んでいかなければならない大事な焦点なのだ。