第3回 スペシャリストたちによる笑いの絶えない登山

山頂直下。まもなく登頂。写真先頭は三浦雄一郎。(写真クリックで拡大)

 我々一般の人間は、前人未到の偉業達成の陰には数々のアクシデント――ともすれば、生死を分かちかねないような――が起きていたことを想像してしまう。ましてそれが世界最高齢でのエベレスト登山ともなれば、なおさらだ。

 だが、三浦親子がエベレスト登頂を振り返るとき、笑いがあふれる。

 雄一郎が「8500mで世界最高所のお茶会をやったり、ゆとりと遊びがたっぷりありました」と言えば、豪太は「非常に余裕のある登山でした」と振り返る。

 80歳でのエベレスト登頂を成功させるために採用したプラン、「年寄り半日仕事」が奏功したとはいえ、ふたりからの話だけを聞いていると、毎日楽しく登っているうちにいつの間にか山頂に着いていたという印象さえ受けるが、雄一郎によれば「まさにその通り」だったという。

 出発前は雄一郎の心臓手術をはじめ、いくつかの困難に見舞われたものの、実際にスタートしてみれば、「笑いの絶えない遠征」(豪太)となった。

 その最大の要因となったのが、一流のプロがそれぞれの役割を確実に果たすチームワークのよさである。