サハラ砂漠の華麗なムシたち ウスバカゲロウ・タマムシ編

 本編では紹介できなかった、サバクトビバッタ以外のムシたちとの出会いを。その2はウスバカゲロウとタマムシ。

ウスバカゲロウ

 我々が訪ねたフィールドには、アリジゴクの巣がたくさんあった。

 そして、夜になると出てくるのが、成虫であるウスバカゲロウたちだ。

(写真クリックで拡大)

「結構、いろんな種類のやつが、いますね。砂漠で真っ暗闇の中、ライト照らしながら歩いていると、キラッと光るやつが飛んでいるわけです。光に結構集まってくるので、うざい! とか、気持ち悪ぃーとか、感じることがあるんですけど。もう、1匹じゃなくて、わーっと来ますから」

 ぼくたちがこの夜出会ったのは、イネ科植物のパニカムの葉むらに隠れているやつだった。飛んで目を光らせて驚かせるのではなく、ひそやかにしめやかに、そこにいた。

「多分、こいつもお腹ふくれてるので、もしかしたらもうすぐ産卵するのかもしれないですね」というのが前野さんの見立て。

 実際、ぼくがこれまで日本で見たことがあるよりもはるかにむっちり太っており、立派な体格だった。もしも、これが産卵直前だとしたら、またも、地下でうごめく幼虫、アリジゴクが産まれ、まさにアリジゴクのアリジゴク的生活史のサイクルがまわりはじめるのだ(砂漠ほど、アリジゴク的なシチュエーションってない! と思う。つい、人間が落ちるほど大きな「蟻地獄」を想像すると怖い)。

 撮影にはフラッシュを使っているわけだが、目が虹色に照り返しているのにも気づいた。夜、飛ぶ昆虫だから、少ない光を活用する反射層的なものがあるのだろうが、日本のウスバカゲロウも同様なのだろうか。前野さんともども、「謎ですねぇ」というばかりであった。

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