第17回 ダシは生ハム!スペインの豪快煮込み料理
年が明けて早くも1カ月が経とうとしている。今年は冬季五輪にサッカーW杯と世界的なスポーツイベントが続くので楽しみにしているのだが、そのW杯の優勝候補の一角であるスペインと日本が昨年、交流400周年だったことはご存知だろうか。
FIFA世界ランク1位(2014年1月16日現在)を誇るサッカーのスペイン代表には、「無敵艦隊」という愛称がある。これは16世紀末、スペインがもっとも隆盛していたころの大艦隊に由来する。この大艦隊が実際に無敵だったかというと英国征服に向かって大敗してしまうので、前回のW杯で優勝したときは皮肉が込められた愛称を名実ともに我がものにしたのだなあ、と感動したものだ。
それはさておき、その無敵艦隊の時代から少しくだった1613年、仙台藩主の伊達政宗が当時スペイン領だったメキシコとの直接貿易の許可を求めて、スペインに使節団を派遣した。これがスペインにおける日本からの初めての正式な使節団であり、スペインとの交流の端緒になった。
そうした経緯で昨年から今年にかけて、日本の各地でスペインの歴史や文化を紹介するさまざまなイベントが開催されている。当然というべきか料理にまつわるイベントもあるわけで、それならばと、本格的な冬を迎える前、ソウルフードのヒントを求めてあるイベントに出かけたのである。
東京・渋谷区の代々木公園イベント広場で催された「フィエスタ・デ・エスパーニャ」は人であふれかえっていた。スペインの食・音楽・文化を紹介するイベントで、料理のブースには長蛇の列ができ、メインステージでは情熱的なフラメンコに拍手喝采。寒さを忘れる熱気に包まれながら会場内を歩いていると、とくに長い列ができている料理の店舗が目にとまった。
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