幼虫の群生相の行進といきなり出会い、スズメバチみたいな色、質感、サイズの生き物がアリみたいに行進している、みたいな感想を抱いたのは述べた。

 一方で、前野さんが非常に感心していたのは、まず「今まで、イメージ的に同じ齢期、つまり同じタイミングで出てきて孵化した幼虫が一緒になっているのを想定してたんですけども、こういうふうに違うステージの幼虫がワーッといっぱい混ざってるっていうのが、はじめてでして、すごい面白いな」ということ。サバクトビバッタの幼虫は同じ時に孵化したものが、そのままずっと一緒にいるように思われてきたそうだ。

 また、「昼間から、シェルターの草木に留まっているのが多いですね。夜とかには、みんなこういうとこに留まるんですけど、昼間からというのはあまり見ないです」というのもあった。

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 ひょっとすると、前日が雨で、その日も曇天。それほど気温が上がっていなかったことも影響していたかもしれない。

 なお、前野さんが歯磨木(歯磨きの木)と呼んでいる灌木は、地元の人たちが歯ブラシとして使っている。遊牧の民ベルベル人の末裔が作った国だけあって、砂漠に自生するこの木をわざわざ採集して、街中で売っているくらいだ。よく噛みほぐすと繊維がほどけてブラシ状になる。バッタの宿り木で歯磨きというのはなんとも素敵な習慣だ。

歯磨木をお試し中。(写真クリックで拡大)

 さて、フィールドの続き。

 さらにしばらくランドクルーザーで進むと、ドライバーのティジャニがまたも「ici ici(ここ、ここ!)」と指さした。

 前野さんが「なんじゃこらー」的に驚くものがそこにあった。

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