写真1(写真クリックで拡大)
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 ヨーロッパウナギを食い尽くした我々が、次に目を付けたのがフィリピンやインドネシア、アフリカなどの熱帯域に生息するウナギたちである(写真1-2:フィリピンでのシラスウナギ漁の様子)。長い研究の歴史と少なからず漁業管理体制の確立しているヨーロッパのウナギですら食い尽くした実績を持つ勢力である。いわゆる開発途上国の多い熱帯域では、ウナギ資源の管理や保護が困難であることは想像に難くない。熱帯のウナギたちをたちまち血祭りに上げる条件は整い過ぎている。
 繰り返すが、人間は熱帯域のウナギについて何も知らないのである。一例を挙げれば、2009年になって我々がフィリピンのルソン島で、これまで誰も知らなかった新種ウナギを発見できるほどである。フィリピンのウナギといえば、もう30年以上も前から日本国内でシラスウナギが高騰すると関係者の間をウロチョロする身近な存在のはずだった。事実、1990年代の半ばには、養鰻の可能性を探るべく水産庁が公式に試験を実施している。そんなウナギの中に、まだ誰も知らない種類が潜んでいた……。熱帯域には、まだまだ未知のウナギが生息している可能性が高い。どんな種類がいるのかわからなければ、当然、どれくらいいるのかなどわかろうはずもない。そんなウナギを無節操に消費することの危険性は明らかである。

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