第3回 カラフルでお掃除上手なアカミノフウチョウ

極楽鳥でいちばん小さいアカミノフウチョウの雄。求愛ダンスを踊る木の下に落ちている葉を、くちばしでくわえて掃除しようとしている。
写真:Tim Laman/National Geographic(写真クリックで拡大)

 今回紹介するのは、体長20センチほどと、極楽鳥(フウチョウ科)でいちばん小さい「アカミノフウチョウ」。第1回で紹介したオオフウチョウとはちがって、ふわふわした飾り羽はありませんが、雄の体や羽の色が実にカラフルなことで知られています。頭頂部から背中にかけては、青、黄、赤とまるで信号機のよう。背中にある赤い羽が、わらを編んだ伝統的な雨具の「みの」に見えることから、このような和名がつけられました。

 頭頂部の青色は実は地肌がむきだしになっていて、黒くて短い羽が模様を描いています。この写真ではわかりにくいのですが、くるりとバネのように巻いた2本の尾羽は光沢のあるスミレ色で、胸部の盾状の羽は光沢のある緑色。脚は群青色で、口内は黄色です。小さな体に、よくこれだけ多彩な色をまとったものです。モード系の最新ファッションに身を包んだ、おしゃれな男性といったところでしょうか。

 アカミノフウチョウの雄はカラフルなだけではありません。実はお掃除がとっても上手なんです! 雄は若木の根元あたりに止まって、自分の上に止まる雌に向けて求愛ダンスを踊るのですが、その若木が生えている周りを、木の葉1枚も落ちていないように、くちばしで念入りに掃除します。葉を1枚1枚くちばしでくわえては、遠くへポイッ! そのお掃除シーンの映像は、こちらからどうぞ。

 一方の雌は羽が黄色と茶色で、他の極楽鳥と同じくとても地味。でも彼女たちは、カラフルできれい好きな雄が好みなのですね。雌がカラフルできれい好きな雄を選びつづけてきたからこそ、アカミノフウチョウの雄はこんな姿と行動に進化してきたのでしょう。まさに「進化の不思議」です。

 次回は、頭に不思議な長い飾り羽が2本ついている「フキナガシフウチョウ」を紹介します。


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写真展:ティム・レイマン作品展
[極楽鳥 “Birds of Paradise”]

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日時:2014年1月6日(月)~2014年2月3日(月)10:00~17:30(日祝休館)
会場:キヤノンギャラリーS
入場無料

トークイベント

今回の展示作品を、オーストラリアロケ時のエピソードを交えながら解説します。

日時:2014年1月30日(木)18:30~
会場:キヤノンSタワー3F キヤノンホールS
定員:先着300名(事前登録可)
入場無料

詳しくはこちらから。
http://cweb.canon.jp/gallery/archive/timlaman-birdsparadise/