第16回 パンチ効きすぎ!エジプトのB級グルメ

コシャリは炭水化物のダブル載せ!

 口の中に残る余韻を楽しんでいるうちに、コシャリのご飯が炊きあがったようだ。炊きたてのお米とレンズ豆の甘みを含んだ香りが漂ってくる。今回は材料調達の関係でレンズ豆だけだが、ひよこ豆を入れる場合もあるとのこと。さらに、パスタもマカロニとロングパスタの2種類を使うことが多いという。

 ご飯とパスタを混ぜ合わせて大皿に盛り、素揚げした玉ネギをのせる。「コシャリとはエジプトの言葉で“混ぜる”という意味なんですよ」と教えてくれたアフメッドさんが食べ方も説明してくれた。「トマトソースのほかにビネガーベースのソースもあって、自分の好みに合わせてかけて食べるんです」

 コシャリのつまみ食いはさすがに目立つので、テーブルに料理が揃うのを待ってからいただいた。ミートパイやグラタン風の料理などテーブルいっぱいに料理が並ぶ。大皿に盛られたコシャリを取り分けてもらい、目の前に置いた。豆ご飯にパスタが乗り、トマトソースがかかっている光景はちょっと異様だ。しかし、一口食べたとたんスプーンを動かす手が止まらなくなった。

 ご飯とパスタ、まずこれがまったく違和感がない。レンズ豆の甘みとちょっぴり焦げた玉ネギのうま味、トマトの酸味が絶妙なバランスで炭水化物たちを包み込んでいる。「これ、ちょっとはまってしまうかも」とTさん。まさにジャンク、B級グルメなのだが、何ともクセになる味わいなのである。

 「エジプトは9割がイスラム教徒なのでラマダンになると日中は断食をするんですが、ラマダンが明けるとコシャリ店にみんな集まるんです。ラマダン中は日没後もスープなど身体にやさしい軽食が中心なので、パンチのあるコシャリが恋しくなるんですよ」とモハマドさん。後輩イブラヒームさんも「子どもたちもみんな食べたがりますね」と言う。21歳とまだ若い大砂嵐が好んで食べたのもわかる気がする。

玉ネギは「揚げすぎでは?」と思ったが、この苦みもコシャリの味わいに深みを与えるから不思議だ