第16回 パンチ効きすぎ!エジプトのB級グルメ

スタジオジブリの作品が好きで日本語を学び始めたというラナさん。大学卒業後は日本で教育か石油関連の仕事に就きたいそうだ

 調理室ではすでに料理が始まっていた。4つあるキッチン台に全部で10人くらいだろうか、エジプトの人びとを中心に、日本や台湾、モロッコの人たちが、ヤヒヤさんの指示のもとで料理の下ごしらえをしている。壁に貼られたホワイトボードにはファラフェル、バシャメル、キブダ……と15品ほどの料理名がずらり。「今日はこれを全部つくります」とヤヒヤさん。名前だけでは想像できないものばかりだが、コシャリの文字があることを確認して、忙しく動き回るヤヒヤさんの代わりにホワイトソースをつくっていたエジプト人女性にさっそく聞いてみる。

 「コシャリ好きですよ!」と笑顔で答えてくれたのは、東京外国語大学に留学して1年半というラナ・セイフさん。「家で食べることもあるけど、圧倒的に外食が多いですね。町のあちこちに専門店があって、みんなお気に入りの店を持っているの。一皿3~5エジプトポンドと安いので学生の味方。学校帰りに友だちとコシャリを食べながらおしゃべりする時間がすごく好きでした」(2014年1月6日現在、1エジプトポンドは約15円)

 改めてどんな料理か尋ねると、「ご飯にレンズ豆とパスタ、そして素揚げした玉ネギを混ぜてトマトソースをかけて食べます。味付けは店によって違うけど、このスタイルは共通です」とラナさん。「女子にはちょっと高カロリーだね」なんて笑っていたら、調理風景を撮影していた編集Tさんが「あっちでコシャリつくってますよ」と言ってきた。

 さっそくそのキッチン台へと向かう。ご飯はすでに炊飯器の中だったが、Tさんの目撃談によると「お米にレンズ豆と塩、水、それからサラダ油を入れていた」とのこと。しかも、ヤヒヤさんの「それじゃ少ないよ。もっと入れて!」という声のもとで、けっこうな量のサラダ油が投入されたとか。目の前では玉ネギをこんがりと色が変わるほどに揚げている。

「もともとは数家族が集まって食事をする会でしたが、人が増えたので5年前から交流の場も兼ねたクッキングパーティーを開催するようになったんです」とヤヒヤさん