第5回 今年始まる標高3800mの森づくり

 大人が走っていると、物を盗むか何か、悪いことをして逃げていると思われるんです。それは日本でもありますが、走っている人を見ると街の人たちが皆、一斉に追いかけて、捕まえたら寄ってたかって殴る蹴るの暴力を振るうというんです。リンチですよ。

 僕が直接見たわけではありませんが、泥棒をした男が広場に追い詰められ、トラックの古タイヤに入れられて、ガソリンをかけて火をつけられたという報道が、滞在中にありました。コーディネーターに、街の人は正義感から追いかけるのかと尋ねたら「日ごろの鬱憤がたまっているせいだ」と言っていました。

 感情の起伏が激しいので、集団心理で怒りに火がつくと、止められないんですね。

――日本人も、日ごろの鬱憤はたまっていると思いますが、まずそういうことはないですね。感情の抑制が利いているからでしょうか。

 直接行動としては起きないけれど、本質は変わらないと思います。何かあると寄ってたかってたたくというのは、週刊誌などメディアの論調にもよく見られるでしょう。

 アフリカの人たちは何ごとにつけ、感情表現が直接的なだけに、人間の本質がそこに見てとれるように思えるんです。だから、興味深くて、アフリカに行くのは楽しい。ただ、ワイワイとはしゃぐような楽しさではないですね、疲れる楽しさです。

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