第4回 世の中のB面にこそテーマがある

高校時代の野口さんとお父さん(クリックで拡大)

 高校生のときは、イエメンで暮らしていました。当時のイエメンは国情が不安定で、外国人が出歩くもの危険でしたが、父は自分の車を運転してスラム街を回るんです。銃を持っている人がウヨウヨいる中をですよ。

――どういう意図があったのですか。

 父はODAの担当でした。日本が途上国に援助するお金は税金ですから、有効に使われなければなりません。政府や地元の権力者のリクエストに応えれば、外交的にはそれでことは済むのですが、本当に困っている人を助けるかどうかは別の話。例えばアフリカは部族社会で、権力者は国益よりも自分が所属する部族の利益を優先します。

 何が本当に必要なのかを見なければいけない。そんな思いが父にはあって、僕を連れて街を見て歩いていたのだと思います。そういうときに、よく僕に言っていたのがA面とB面の話です。

 「ものごとにはA面とB面がある。A面は、普段、何もしなくても見える世界。B面は、自分から見ようとしないと見えてこない世界。そして、世の中は往々にして、B面にこそテーマがある」。そこをよく見なさいということです。