第5回 アジアの納豆ジャングル
――ライフワークにするというソマリランドは別として、今一番の関心事は何ですか。
いつも頭の中に10個くらいのテーマがあって、取捨更新を繰り返しているような状態なのですが、目下の優先テーマは納豆です。
――納豆?あのネバネバで糸を引く?
そう、その納豆。日本の納豆によく似たものが、東南アジアのミャンマー、タイ、ネパールやブータンにもあるんです。
たとえば、ミャンマーのシャン州では、毎日納豆を食べています。においも味もそっくり。でも、日本の納豆のように糸を引きません。ペーストにした納豆を、円盤状にして干したものを食べるんです。見た目は、薄焼きせんべいのようです。
食べるときは、割って揚げたりもするのですが、一番多いのは粉にしてうまみ調味料として使う利用法。何の料理にも使うし、おかずがないときは、これをふりかけにしてご飯を食べます。
名前は「トゥナウ」。発音は、日本の納豆の逆ですが、意味は「豆を発酵させたもの」です。朝昼晩、この粉末納豆を使っていますから、日本人よりたくさん納豆を食べているかもしれません。