第15回 ペルーの国民食は日本風味!?

 さらに、1960年代後半にペルーに輸入されるようになった味の素。
オルフィリアさんいわく、「ペルー料理の味の決め手は塩とレモンと味の素で、どの家庭にもレストランにも味の素が置かれている」ほど浸透しているという(一流レストランはないかもしれないが……)。こうしてつくられたセビチェは、必ず南米原産のジャガイモとトウモロコシと一緒に食べるのだが、各国の要素が散りばめられたペルー料理は、まさに「食文化の融合」といえる。

 ペルー料理は先住民と移民がともにつくりあげた料理なのだ。
リマで生まれ、食事の最初に食べるセビチェは、それを象徴するソウルフードなのだろう。

 「私は日系3世で、父方の祖父母は沖縄出身でした。だから家では沖縄料理もよく出ました。ペルー料理も日本料理もどちらも好きです」とマヌエルさん。彼には日本人とペルー人の血が流れていて、オルフィリアさんはコロンビア人の血を持つ。姪で日系4世のマスミさんは中国人やドイツ人の流れもくんでいるという。ペルー料理が世界で受け入れられるのは、各国の文化がその味にほのかに感じられるからなのかな、と思う。

 やがて食卓に料理が並び始めると、タイミングよく近くに住むマヌエルさんの長男夫婦とその娘さんもやってきた。スペイン語が賑やかに飛び交い、子どもたちは元気に走り回る。

めいめいが席につくと、長男の儀間政則さん(日本国籍を取得しているため日本名のみ)がみんなに話しかけた。「今日は久しぶりにマスミと食卓を囲むことになりました。だから遅くなったけど、マスミの大学進学のお祝いをしよう。夢の実現を願って」

この日の昼食。大皿に盛り、みんなで取り分けながら仲良く食べる。ペルーでは魚なら魚だけと決まっていて、肉なら肉だけと、同じ食事で魚と肉を一緒に食べたりはしないそうだ