第15回 ペルーの国民食は日本風味!?

セビチェをつくるオルフィリアさん。16歳でマヌエルさんと結婚し、4人の子どもに恵まれた。次男はアメリカに住んでいる

 「セビチェで使う魚介の種類は決まっていません。そのときに新鮮で美味しそうなものを選びます。味付けはレモンと塩と味の素と唐辛子。これはみんな同じだけど、つくる人の好みによってまったく味が変わりますよ」

 味の素とはこれまた身近な……。そこへ「そうそう、お母さんのセビチェとは全然違う」とマスミさん。

「セビチェはレモンと唐辛子が味のポイント。種類も量も人それぞれです。ペルーは日本よりレモンも唐辛子も種類が豊富なんですよ」と、マヌエルさんの義理の息子さん、フェルナンド・II・ブラボ・ナカムラ(日本名・中村フェルナンド)さんも教えてくれる。日本のスーパーで売っているレモンは酸味が少ないので、酸味を強くしたいときは南米の輸入食材店でメキシコ産のレモンを買って使うそうだ。

 食べたそうにしているのがバレたのか、「味見をどうぞ」とご厚意の声。少々フライングだが、遠慮なくいただきました。口に入れたとたん広がるのがレモンのさわやかな酸味。これが魚介の生臭さを消し、うま味だけを引き出している。唐辛子はピリッとするが強すぎず、玉ネギのシャキシャキ感やコリアンダーの風味もいいバランスだ。すべての食材が主張し過ぎず、全体としてさっぱりと仕上がっている。

 「これもひとつの融合だなあ」と噛みしめていると、「ペルーでは昼の食事を一番大事にしています。いまは、平日はみんな仕事で集まれないから、日曜のお昼は必ず家族で集まってゆっくりと過ごすんです。そんなときに最初に食べるのが、このセビチェなんですよ」とマヌエルさんが教えてくれた。

マグロにイカやタコ、エビも入ったちょっと豪華なセビチェ。手前のトウモロコシは乾燥させたもので南米の輸入食材店で購入する