第15回 ペルーの国民食は日本風味!?

 気になるペルーの家庭料理を味わえるなんてまたとない機会だ。「ぜひとも!」と即返事をして、日曜の昼ご飯にお邪魔することになった。もちろん、ペルーのソウルフードに出会えることも期待して。

 千葉県船橋市の某駅でマスミさんと待ち合わせる。「せっかくなら、ぜひ伯母さんの料理を食べてほしい。私も久しぶりなんですけど、レストランで料理をつくっていたこともあって、親族一の腕前なんです」という言葉に従って、彼女の母親のお兄さん宅へ向かった。マスミさんは神奈川の大学に通う一年生。通訳士になるのが夢だという。

 「オラ!」とスペイン語の挨拶で迎えてくれたのは、マスミさんの伯父のファン・マヌエル・ギマ・ティアス(日本名・儀間マヌエル)さん。マヌエルさん宅は、マヌエル夫婦を筆頭に長女夫婦とその息子さん、三男が住む。「いま料理をつくるところです」と導かれて家の中に入ると、奥さんのオルフィリア・ヘラスコ・ロペス・デ・ギマさんが食材の準備をしていた。

 テーブルの上にはイカやタコ、ジャガイモ、トウモロコシ、唐辛子、コリアンダー、玉ネギ、セロリ、そして調味料が所狭しと並んでいる。いったい何をつくるのか問うと、マグロのサクを2センチ角ほどのサイコロ状に切りながらオルフィリアさんが教えてくれた。

 「セビチェです」

 生あるいは軽く湯引きした魚介類のマリネで、ペルーの国民的な料理だという。ペルーでもマグロを生で食べるのかと興味がわく。 ジッと見ていると、作り方は簡単なのよと、オルフィリアさんはサイコロ状のマグロに調味料や野菜を次々に入れて手際よく混ぜていった。

左:セビチェの材料。トウモロコシ(手前の2種類)とジャガイモは必ず添えられるもの。「ジャガイモはアンデス地方原産。ペルーには3000もの品種があるんですよ」とマヌエルさん。右:魚介と玉ネギやセロリ、調味料を混ぜ合わせ味をなじませる